岡山の海苔小屋
食事をすませて1時間ほど走ると一軒の民家に着いた。
何故か陸地なのに海の雰囲気のある場所だ。
近くに、こんもりとした小山がある。
小山には神社があって何かいわくの有りそうな雰囲気だ。
民家は古い家で隣に海苔小屋がある、そこがボク達の仕事場だ。
海苔機械は海苔の乾燥機のことで文字通り生の海苔を乾燥する機械の事。
海苔機械は一つの動力(モーター)で型枠の上下、コンベアの移動その他の細かい動きまで賄い、乾燥のための炉が付いている。
ボク達の仕事は温度・湿度センサーとミスト発生器を使って温度と湿度を調整する機械のメンテナンスと調整だ。
大きな小屋位ある機械の上に登ったり下に降りたり、ボイラーを覗いたりして機械を調整した。
火傷
天井にはボイラーのブリキ製の煙突がある。
機械の上に登った時だった。
まさか煙突が熱いとは思わず腕が触れてしまった。
ジュ!「あっつ」
一瞬の出来事だった。
煙突に腕があたって火傷をしてしまった。
皮がペロリと剥ける位の火傷。
ピリピリと痛い。
たまらず家のお爺さんに「塗り薬ありませんか?」と聞いた。
火傷によく効く石があると言う。
石?なんじゃそりゃ?
何でもいいとりあえず何か処置をしたい。
お爺さんが家の奥から握り拳大の石を持ってきた。
それを包丁でけずりだした。
やわらかい石でポロポロと粉の山が出来た。
その粉をボクの患部にパラパラと振りかけた。
なんとなく保護されてる気がした。
お爺さんは残りの粉をくれた。
「またジュクジュクになったら、かけなさい」
その日はズキズキしたが2・3日したらかさぶたが出来てきた。
ボクのギジュツカイハツ部日記2へ続く